2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15017
地盤振動計測による土石流検知を目的として,著者等は土砂流動実験による地盤振動の性質について検討を行っている.土砂流動を検知するためには,急峻な渓流のごく近傍で大きい信号を捉えようとするのが一般的である.しかし,そのような好条件の場所に常に計測器を設置できるとは限らない.そこで,本研究では土砂流動の発生源からある程度距離が離れた地点で得られる地盤振動に基づいて,土砂流動発生の検知を試みる.土砂流動実験から得られた地盤振動記録を基に,周波数特性に着目した地盤振動モデルを構築した.土砂流動の検知方法としては,このモデルと計測記録との適合性によって判定する事を提案する.実験データを用いた検討により,地震動に対する誤検知回避も含め,提案手法の有効性が示された.