2025 年 81 巻 15 号 論文ID: 24-15015
コンクリート構造物に対する数値解析のV&V(Verification and Validation;検証と妥当性確認)に関する基礎的研究として,せん断破壊型の鉄筋コンクリートはりの Validation 実験を実施した.本実験の特徴は,V&Vの妥当性確認において,数値解析と比較しやすくするために,実験に含まれる不確かさを可能なかぎり制御したことである.まず,コンクリートの特徴である材料特性のばらつきを極力低減させるために,すべての試験体を同一日に(同時に)作製した.さらに,実験方法や実験実施に伴う不確かさ(人的誤差)を極力低減させるために,実験者を習熟度の高い1名に固定して,同一の試験機により4点曲げ実験と材料試験を実施した.また,非線形有限要素解析により,得られた実験結果の再現性も確認した.