2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16021
本研究の目的は霞堤の構造分類と,霞堤の洪水調節機能とその増進の考察である.始めに一級水系に存在する霞堤を構造で分類した.次に,分類を基に地形特性,霞堤の形状を変化させ数値解析を行った.最後に霞堤開口部に越流堤を設け解析した.その結果,霞堤下流のピーク水深は霞堤と越流堤によって減少した.越流堤を設けることで,霞堤への洪水の流入が遅れるため,霞堤下流の最大水深は,越流堤整備前と比べより低下することが明らかになった.さらに,越流堤は霞堤内部の浸水面積も減少させる.したがって,霞堤を締め切るよりも,霞堤開口部に越流堤を設けることで,霞堤下流及び内部の治水安全度の向上が見込まれる.