2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16059
本研究では,機械学習を多段階適用させることで河川植生分布を予測し,植生の侵入・消失の要因を分析する新しい予測モデルを開発した.機械学習にはRandom Forest(RF)を使用した.この多段階モデルはSegmentごとに最適化され,入力データの翌年の河川植生分布を予測する.この多段階モデルを鬼怒川の複数河道に適用した結果,単純なRFモデルと比べてF値が約1割向上した.蛇行部内岸砂州などで予測精度が向上した結果,F値は全てのSegmentで0.8以上となった.予測結果による要因分析では,Segmentごとに特徴づけられる河道の地形・流動特性の違いにより植生の侵入・消失の主要因が反転する可能性が検出された.以上より,本研究の多段階モデルは河川植生の分布予測に有用であることが確認された.