2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16060
本論文では,鬼怒川の礫河川を対象に衛星画像の正規化指標を用いた機械学習により河川地被分類を試み,筆者らの提案する洪水流解析手法の汎用性向上を検討した.河川地被分類では,衛星画像から作成した正規化指標を用いて機械学習を行い,撮影時点の異なる未学習の衛星画像に適用した結果,F値が0.76以上の精度で河川地被が分類された.得られた地被を粗度係数に換算した上で洪水流解析を行い,正解データの解析水位と比較した結果,水位差は0.1m未満となった.このとき,河川横断面ごとに算出したF値は0.8以上となり,洪水流解析に対する精度確保の必要条件が鬼怒川の礫河川でも検証された.以上より,本研究で提案する洪水流解析手法は,河川地被変化が流下能力へ及ぼす影響を高頻度で定量評価するのに有用であることが確認できた.