土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
公開気象情報を用いた降雨・融雪を考慮できる通年流出予測手法の提案
平沢 陽子中津川 誠臼谷 友秀
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2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16076

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抄録

 本論文の目的は,降雨に加え融雪を考慮することで,積雪寒冷地でも通年で適用可能な流出予測手法を提案することである.気候変動により積雪寒冷地では融雪に相まった大雨が懸念されるが,融雪を考慮した流出モデルの研究や実用例は多くない.本研究では,降雨量に加え融雪量の推定,積雪層を考慮した斜面流出,河道追跡から成る分布型流出モデル手法を提案する.本手法では気象庁の解析積雪深を用いて,積雪モデル等を必要とせず簡易に融雪量を推定できる.本研究では,長期の流出計算による水収支の妥当性を確認した上で,過去事例の再現と予測計算を行った.その結果,融雪期を含め任意の期間に流出量の推算・予測ができることを示した.また,公開気象情報を活用することで,積雪寒冷地域にも通年で適用できる実用的な流出予測手法を提案した.

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