2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16121
日本における63年分(1961–2023年)の気象観測データを用いて河川や湖沼の水温の指標となる平衡水温の長期変化傾向およびその変化要因を分析した.その結果,平衡水温は全国的に有意な上昇傾向を示すことが明らかとなった.また,その要因として日射量と気温の両者の増大が寄与していた.季節別に平衡水温の長期変化傾向およびその要因を分析したところ,平衡水温はいずれの季節においても増加しており,季節ごと,地域ごとにその増加量の大きさは異なることがわかった.また,平衡水温の変化に対する日射量の増大と気温の上昇の寄与は季節ごと,地域ごとに異なることが明らかとなった.