2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16155
将来,温室効果ガスの排出量の増加に起因した気候変動により降水の量や頻度は増加すると想定されており,鉄道ではその影響が懸念されている.本研究では,山形新幹線を対象として,気候モデルによるRCP8.5シナリオの条件下での数値実験の出力データを用いて,土石流の計画手法による流出量に基づく被災判定の将来変化を評価した.種々の超過確率の日雨量に対する土石流による被災判定の結果,将来期間では,現在期間に比べて土石流災害が発生する日雨量の超過確率は20%高まり,同一の日雨量の超過確率に対する土石流災害の発生数は1.9~2.4倍に増加するなどの気候変動影響が現れることがわかった.