土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(水工学)論文
伝統河川工法「聖牛」の土砂制御機能に及ぼす流木の影響に関する実験的研究
三宅 利張 浩大本 照憲
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2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16175

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抄録

 聖牛は木枠と蛇籠で構成される伝統的な水制工である.水はね,流速低減や土砂捕捉などの機能を有し,河道の浸食防止や河川環境の改善などの目的で設置されてきた.一方で,出水時に流木などの漂流物が付着しやすい構造であるため,流木の付着が聖牛の機能に影響を及ぼす可能性が示唆されている.本研究では流木が付着した場合の聖牛周辺の地形変動特性を実験的に調べ,聖牛の土砂制御機能への影響を評価した.実験では,流木の付着場所と聖牛前面の透過率に着目し,複数の透過率条件と4種類の付着場所を設定した.実験の結果,流木の付着によって透過率や付着場所に関わらず地形変動が活発化し,付着場所によって異なる地形変動特性が見られた.さらに,同じ透過率条件下では,聖牛上部に流木が付着した場合に最も顕著な地形変動が生じることが示された.

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