2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16183
気象観測網が不十分な地域において,流域規模で一定程度以上の定量的精度を有する衛星雨量データの提供は,防災や農業等の社会経済へ重要な役割を果たす期待がある.そこで本研究では高頻度かつ高解像度な気象衛星ひまわりの観測データを用い,深層学習による新しい流域雨量推定手法を提案した.また,パラメータ最適化を行っていない領域の複数の河川で,推定した流域雨量を定量的に評価した.その結果,100km2以上の流域における流域平均雨量では,GSMaPを上回る精度で非台風性の豪雨を再現した.流域面積が0.2km2から100km2の小流域においても非台風性の豪雨では地上雨量計のティーセン雨量と比較し,定量的な精度を有することが確認された.以上から,本研究で提案した流域雨量の推定法は流域規模に依らず一定程度以上の定量的精度を有することが示された.