2025 年 81 巻 16 号 論文ID: 24-16206
魚がすめる川の条件の一つに避難場所の確保があり,その一手法に魚巣ブロックの設置が挙げられる.ところが,魚巣ブロックの推奨規格は未解明である.本研究では魚巣ブロックの開口部形状を,全面,上流側,下流側,水面側および底面側開放の5種類に変化させるとともに,主流の体長倍流速を3,6,9(1/s)に変化させてアユ,オイカワ,カワムツの挙動を観察した.その結果,魚巣ブロックの開口部下辺が主流底面と接する場合に全魚種で利用回数が高く,この場合オイカワおよびカワムツは速やかに進入する.アユは警戒心が強いため進入までに時間を要する.また,全面開放および底面側開放では全魚種で利用回数が増加する.