土木学会論文集
Online ISSN : 2436-6021
特集号(海岸工学)論文
沖合観測塔で観測された方向スペクトル特性と風速場との相関解析
齋藤 遼太馬場 康之今井 優樹山上 路生
著者情報
ジャーナル 認証あり

2025 年 81 巻 17 号 論文ID: 25-17219

詳細
抄録

 本研究では,沖合観測塔に設置されたADCPによる20分毎の方向スペクトルデータを用い,エネルギー分布特性と主波向による分類を行ったうえで風データとの相関解析を実施した.方向スペクトル上の波浪成分の分離はWITSを用いて行われ,第一成分のもつエネルギーが全体の75%以上を占める場合をUnimodal,それ以外をComplex-fieldと定義した.北西方向の波浪は波齢が30を下回る範囲にUnimodalが卓越した一方で南西方向ではより広い波齢範囲にデータが分布し,Complex-fieldの出現率が高かった.また,無次元フェッチと無次元有義波周期の関係では理論的に1/3乗則の関係が導かれる.観測データにおいては北西方向の波浪ではこれよりも小さい傾きを示す一方で,南西方向ではより大きい傾きを持つ傾向が確認された.

著者関連情報
© 2025 土木学会
前の記事 次の記事
feedback
Top