2025 年 81 巻 3 号 論文ID: 23-00255
本研究は,電磁誘導の原理を利用して非接触・非破壊にてRC構造物内部の鉄筋に誘導電流を誘起し,鉄筋表面とそれを取り巻く環境で形成される腐食回路を崩壊させることで鉄筋腐食を抑制するであろう手法の開発を行ったものである.本論文では,まず,実験的および解析的手法により鉄筋表面における誘導電流に関する特性について基礎的検討を行い,その結果をもとに本手法の腐食抑制条件(誘導電流密度および電力消費量)を示した.次に,複数鉄筋を有する試験体を対象とし,マクロセル腐食およびミクロセル腐食に対する腐食抑制効果を定量的に検討し,本手法の有効性を示した.