抄録
本論文では,混合酸の作用によるセメント硬化体の劣化挙動の整理および計算モデルを提案するために,硫酸,塩酸,硝酸およびそれらの混合酸をセメント硬化体に作用させ,質量減少率を測定した.その結果,硫酸を含む2~3種類から成る混合酸がセメント硬化体に作用したときの質量減少率が,ある硫酸モル分率を境に変化することを明らかにした.そして本論文では,この現象を硫酸モル分率依存性ととらえ,この現象をGibbsの標準生成自由エネルギー変化量および反応速度論に基づき理論的に考察した.さらに,それらの理論を応用することで,複数の酸が作用したときのセメント硬化体の質量減少率を推定する計算モデルを提案した.