2014 年 70 巻 1 号 p. 92-103
水結合材比55%の高炉セメントコンクリートと普通ポルトランドセメントコンクリートに対して異なる養生温度条件下における自己収縮ひずみと鉄筋拘束による収縮応力を測定し,コンクリート温度がそれぞれの物性に与える影響について検討にした.その結果,普通コンクリートは,コンクリート温度による自己収縮ひずみの変動が小さいのに対し,高炉セメントコンクリートでは,コンクリート温度による自己収縮のひずみ量,ひずみ速度の変動が大きく,普通コンクリートとは異なる傾向を示した.加えて,収縮応力試験結果をもとにヤング係数の補正係数を算出したところ,高炉セメントコンクリートは,20℃一定養生温度におけるヤング係数の補正係数よりも,40℃一定養生温度,マス養生温度履歴下の方が,大きな値となり,温度依存性があることが示唆された.