土木学会論文集E2(材料・コンクリート構造)
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和文論文
動的非線形解析に基づいたせん断壁を有する鉄筋コンクリート製地中構造物の損傷評価
宮川 義範末広 俊夫松尾 豊史大友 敬三
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2016 年 72 巻 1 号 p. 1-18

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抄録

 せん断壁を有する鉄筋コンクリート製地中構造物の動的地震応答を,材料非線形有限要素解析によって求めた場合の損傷評価指標について検討した.最初に,壁単体を対象とした解析を通じて,主圧縮ひずみが一定以上ある区間の水平幅の全幅に対する比と,水平耐力の低下率とが良く対応するという知見を得た.次に,せん断壁を有する模型を乾燥砂地盤中に埋設して加振する実験を行い,材料非線形解析が,実験で得られた構造物の水平・鉛直変位応答を精度良く追跡できることを確認した.実験のシミュレーションおよび入力加速度を変えたケーススタディの結果から上記の損傷幅比や鉛直変位を抽出し,これらに基づいて,最大耐力点到達の判定や最大耐力点以降の損傷度の分類・評価が可能となることを示した.

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© 2016 公益社団法人 土木学会
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