2016 年 72 巻 2 号 p. 97-108
コンクリートダムにおける温度ひび割れの制御,すなわち設計・施工段階における温度規制において,ダムコンクリートの自己収縮ひずみの影響については,貧配合コンクリートであることなどから無視できる程度とされていた.しかし,ダムコンクリートの自己収縮に及ぼすセメントの種類や配合の影響については殆ど明らかとなっていない.本研究では,フルサイズ骨材を用いたダムコンクリートの自己収縮ひずみの試験方法について検討を行うとともに,幾つかのダム用セメントを用いたダムコンクリートについて自己収縮特性を明らかにした.また,施工段階での温度ひび割れの検討で用いる自己収縮ひずみの設計値についても提案した.