2020 年 76 巻 4 号 p. 293-305
本論文は,低温環境におけるエポキシ樹脂系ひび割れ注入材の注入充塡性を定量的に評価するため,低温での注入材の粘度変化と温度変化の計測およびコンクリート供試体による注入実験を行い,既往の研究で提案された注入面積速度を用いて低温時の注入性能と施工性を検討した結果を考察するものである.注入材粘度の経時変化等の計測および注入充塡性試験を行った結果,低温や少量では注入材の反応による発熱がほとんど発生しないため,注入性能はひび割れ内部の環境温度に依存することを明らかした.また,注入面積速度式に,環境温度5°C以下の低温域の場合の補正係数を導入すると,この関係式から低温環境におけるエポキシ樹脂系ひび割れ注入材の注入充塡性の定量的な評価が可能であることを確認した.