2021 年 77 巻 3 号 p. 108-118
本研究では,埋設管の耐力評価手法として提案されている内面載荷法をとう性管に適用した場合の地盤内挙動を明らかにするため,PVC管とFRPM管を対象に地上と地盤内での変形挙動の比較評価を行った.埋設管における荷重-変形量の関係は載荷初期では線形挙動を示し,ある点を過ぎると傾きが低下した.この非線形挙動は,地盤が圧縮される過程と地盤がせん断変形を起こす過程の2区間に分離することができると考えられた.地上と地盤内での荷重-変形量の傾きを比較すると,環剛性の低いPVC管の方が地盤による拘束の影響を大きく受けることが明らかになった.また,埋設管外面の円周方向では,管頂・管底部において引張ひずみが突出するが,斜め方向の拡径は地盤により拘束され,載荷軸を対称に斜め方向4か所の圧縮ひずみが増加することがわかった.