2021 年 77 巻 3 号 p. 119-133
超高強度繊維補強コンクリート(UFC)の製造には,一般に高温の熱養生が必要とされる.これらのUFCをレディーミクストコンクリート(RMC)工場で製造し,運搬後に施工する場合は,現場に熱養生設備が整っていないため,UFCの現場施工は困難とされていた.そこで本研究では,常温環境下で性能を発揮するUFCに必要な材料と配合条件を明らかにするため,室内実験を通じてフレッシュ性状と強度性状を調べるとともに,RMC工場における製造と現場適用性について検討した.本論文では,RMC工場でも製造・品質管理できるUFCの諸条件として,低C3A・高C3Sのセメントの使用,水結合材比(W/B)14~21%,フロー管理値230~290mmなどが適当であることを示した.