2021 年 77 巻 4 号 p. 187-195
埋設管の耐力評価手法として内面載荷法が提案されており,これまでに劣化した不とう性管への適用性が実証されてきた.一方,農業用管路は管種別延長の約9割をとう性管が占めており,とう性管への応用も求められる.そこで本研究では,管や地盤の劣化状態を評価することを目的に,土被り圧の異なる模型地盤内の薄肉硬質塩化ビニル管(VU管)に内面載荷法を適用し,埋設とう性管の地盤内挙動について考察した.その結果,VU管は土被り圧が大きくなるとともに荷重-変形量の傾きが大きくなり,曲線形挙動から線形挙動になることがわかった.また,繰返し載荷を行ったVU管における荷重-変形量の傾きは,土被り圧の大きさによらず載荷1回目の応力履歴によって地盤の剛性が大きくなるため,2回目以降の傾きの値が上昇することがわかった.