2021 年 77 巻 4 号 p. 230-246
パラメータをウェブ配置,ウェブ幅,断面勾配とした計15体の超高強度繊維補強コンクリート(UFC)はりに静的4点曲げ試験を実施し,UFCはりのせん断耐荷性能に及ぼすそれらの影響を考察した.その結果,各パラメータの違いにより,最大荷重前後の挙動やウェブと上下フランジの破壊領域が異なる,三種類の破壊形態が確認された.それらのうち,試験体の広い範囲で破壊が生じた破壊形態では,せん断強度が向上する傾向が認められた.また,ウェブ一本の幅の増加に伴い,発揮できるせん断強度が低下することが明らかとなった.最終的に,UFCはりのせん断強度に影響する様々な要因を考慮に入れて,せん断強度とウェブ一本の幅の関係式を回帰分析によって導き,その妥当性を検証した.