2022 年 78 巻 3 号 p. 210-223
本研究では,氷点環境下においても特別な養生を必要としない耐寒PCグラウトの開発を目的として,亜硝酸リチウムを主成分とした硬化促進剤の添加がPCグラウトの流動性や氷点環境下における強度発現性に及ぼす影響について検討した.また,厳寒期の屋外環境下において実物大試験体を用いたグラウト注入試験を行い,耐寒PCグラウトの充填状況や強度発現性などの基礎的性状を検討した.その結果,耐寒PCグラウトは温度条件毎に硬化促進剤の添加率を適正に設定することにより,練混ぜ直後から氷点環境下で養生しても良好な強度発現が得られることを確認した.また,シース管への確実な充填が可能であり,PCグラウトの品質基準を満足することを確認し,実用化への可能性を導いた.