抄録
日本近海,特に初期ステージの海上実験に適した内海では波高が小さく,装置の機械ロスの評価が重要となることが多い.著者らは釣瓶式波力発電装置の力学モデルにおいて回転体の運動方程式において,これまでは機械ロスを生むトルク抵抗を駆動プーリの回転速度に比例する項だけで表現していた.
本研究ではこれを見直して駆動プーリの回転速度に比例する項と固定トルクの合計で表現する形に変更した.新たに追加した固定トルク抵抗は,発電機の回転のための閾値のトルクである.この追加により得られた式と従来式の計算結果の比較から,今後の実験検証でトルク抵抗を本研究で示した2パラメータで表現すべきである旨の示唆を得た.