抄録
軟弱地盤内にドレーンを打設後,吸引装置である真空ポンプによって地盤内に負圧を作用させて圧密改良を行う地盤改良工法は,真空圧密工法として知られている.真空圧密工法による圧密改良効果は吸引装置による作用負圧に依存し,一般に真空圧密工法では,真空ポンプを備えた減圧室における作用負圧は,完全な真空状態の負圧が-100kN/m2であるのに対して,-70~80kN/m2程度が限界である.本研究では,鉛直管内を液体が流下する時に現れるサイフォン機能を利用して作用負圧をさらに高めることにより,真空圧密工法の地盤改良効果を高める方法を提案する.鉛直管内で気液二相流を形成させる条件に関して検討を行い,鉛直管の径の適切な設定方法を明らかにするとともに,提案方法の圧密改良効果を室内および現地実験により検証した.