抄録
津波被害に対するソフト対策の一つである津波ハザードマップは全国の市町村において整備が進んでいる.特に地震とそれに伴う津波の被害が懸念される太平洋沿岸域で作成が進んでおり,その内容は陸域の浸水予想域を掲載した津波浸水予測図が主たるものである.これらは,シミュレーション結果を示す位置づけにあり,対象者である住民の危険意識への働きかけには適していない場合があると考えられる.また,船舶被害や漂流物による被害といった海域の情報を掲載したハザードマップは極めて少なく,整備が進んでいないという現状もある.そこで,本研究では津波来襲時の港湾物流機能の維持とそれに対する対策を検討するための海域津波ハザードマップの開発を目的とする.清水港をケーススタディに操船者と港湾管理者を対象とした