土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.28
2010年奄美大島豪雨がマングローブ・サンゴ生態系に与えた影響
赤松 良久宮良 工神谷 大介竹林 洋史二瓶 泰雄興 克樹竹村 紫苑高村 紀彰
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2012 年 68 巻 2 号 p. I_1121-I_1126

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抄録

 2010年10月20日の奄美大島豪雨による大量の水と土砂の流出は奄美大島の重要な観光資源でもあるマングローブ・サンゴ生態系にも大きなダメージを与えたと考えられる.
 そこで,本研究ではサンゴ礁域への土砂堆積状況とサンゴの死滅状況の調査を行うとともに,河口域のマングローブ林の倒壊状況やマングローブ林内への土砂堆積状況の調査を行った.その結果,沿岸域に流出した土砂は湾内に分布していたサンゴ群集の被度を大幅に減少させたことが明らかとなった.しかし,台風の接近や季節風による高波によって,内湾以外の地点では大部分の堆積泥土が洗い流されたため,サンゴへの影響は軽減されたと考えられる.また,マングローブ林の流出は川沿いのごく一部に限られており,林内での急激な土砂堆積は確認されなかった.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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