土木学会論文集B3(海洋開発)
Online ISSN : 2185-4688
ISSN-L : 2185-4688
海洋開発論文集 Vol.28
東北地方大津波によって引き流された仙台市沿岸の松の木の分布特性
稲垣 賢人仲座 栄三入部 綱清渡邉 康志
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2012 年 68 巻 2 号 p. I_120-I_125

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抄録

 2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震津波によって,沿岸に広く分布していた防潮林のほとんどは根こそぎ流された.特に,宮城県仙台市内沿岸では幅500mにも亘って植林された松の木のほとんどが流され,内陸方向5kmにも亘って散乱した.本研究では,津波直後に撮影された航空写真等を手掛かりに,陸上に散乱した松の木をGIS解析により読み取り,防潮林の流失特性,植生のシェルター効果,そして津波の遡上との関係について明らかにしている.総数21,054本に達する流木のほとんどは,海岸線から1km~3kmに分布している.松の木のシェルター効果によって,その背後の家屋が倒壊を逃れていると判断されるようなケースがいくつか見出されている.

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© 2012 公益社団法人 土木学会
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