抄録
管理型処分場の遮水材として使用されるサンドマスチックは,環境中の特に高温域において強度低下し変形追随する機能を有している.サンドマスチックを傾斜堤外周護岸の側面遮水工(遮水シート)と底面遮水工(難透水層)の接続材料に適用する際の設計に資する知見を得るために,遠心力模型実験により強度特性を把握し,FEM解析により土質定数の影響や,遮水シートの影響等を評価した.
遠心力模型実験の結果,サンドマスチック上に一定厚の土被りによる拘束を与えることで偏荷重が作用しても変形が抑制できること,25℃以上でのみかけの粘着力は2.5kN/m2と評価できること,作用する荷重が小さければみかけの粘着力も小さくなることが確認できた.FEM解析の結果,内部摩擦角の大きな材料を使用することや,遮水シートの摩擦係数が大きな場合は,護岸安定が増大することが確認できた.