抄録
周期600s以上の長周期波成分は,「気象性長周期波」と呼ばれ,波浪と関連が深い600s以下の成分とは異なる原因で発生すると言われている.この600s以上の成分の季節変動を中心に調べたところ,以下のことが分かった.
(1)600s以上の成分波高は,600s以下の成分波高と異なる季節変化を示すが,日本海側は太平洋側よりは600s以下の成分と似た変化をする.(2)ほぼ同緯度の太平洋側と日本海側の2地点を対象した場合,600s以下の成分に関しては,両地点で相関がないのに対し,600s以上の成分では相関が見られる.この特徴は,5年間のデータを用いた波候解析からも,特定の擾乱時の解析からも明らかになった.