2012 年 68 巻 2 号 p. I_852-I_857
本研究では,Myersによる台風モデル,単層流動モデル,波浪モデルSWAN,CIP法に基づく氾濫モデルによって構成される高潮・高波氾濫モデルを用いて,東京湾における既往の台風による高潮場を計算し,観測値との比較からモデルの適用性・妥当性を検証した.さらに,今世紀末に発生しうる可能最大級台風による気象推算結果を用いて,東京湾における可能最大級高潮を数値解析するとともに,東京港における高潮氾濫の予測計算を行った.その結果,地球温暖化に伴う最大級台風によって,東京港周辺地域で大規模な高潮・高波氾濫が生じることを示すとともに,高潮氾濫状況の特性を明らかにした.