抄録
従来,内航海運では,常用航路を航行し,早めに到着して沖待ちをする航海計画がしばしば用いられてきた.しかし,高精度の気象海象の予測情報を考慮した航路計画,予測の不確実性を考慮して定時運航を実現した船速計画(減速航行)を行えば,経済的な運航(環境調和型の運航)が可能になる.このような最適な航海計画を作成するシステムを実用化し,内航船舶7隻を対象として実証航海実験を実施し,その省エネ効果を評価した.その結果,航路計画で平均4%の省エネ効果を確認した.また,不定期船については船速計画(減速航海)と合わせてシミュレーションベースで15%以上の削減効果を確認した.