2013 年 69 巻 2 号 p. I_13-I_18
潮流エネルギー変換装置の代表的なものであるサボニウス式水車は,水車起動のための水流初動速度が小さく回転トルクが大きいなどの利点はあるが,回転速度が遅く結果的にエネルギー変換効率が低くなるなどの欠点もある.
本研究は,基本的な性能に優れる直立型サボニウス式水車に着目して,その変換効率を高めるため新規に水車の周囲に流向制御板を取り付けるなど増速装置を付設する工法を提案すると共にその有効性について明らかにする.既に著者らは,外輪型流向制御板を導入することで,直立型サボニウス式水車による潮流エネルギーの変換効率が有意に改善できることなどを示した.ここでは,発電用水車の支持構造や実海域を想定した場合などを含め,さらなる潮流エネルギー変換効率の改善工法について検討を加えたので,その成果について紹介する.