2013 年 69 巻 2 号 p. I_215-I_220
近年の海面上昇や台風の大型化によって,偶発波浪と呼ばれる既存構造物の設計値を大きく上回る異常波浪が頻発しており,ケーソンが滑動する被災事例が多くなっている.このような被災に対して,間瀬ら(2011)は防波堤の港内側に設置して滑動抵抗力を増大するカウンターウェイトブロックを提案している.本研究では,このカウンターウェイトブロックを設置した防波堤について水理模型実験を実施し,防波堤への適用について検証した.実験は,波高を一定として,3種類の周期の波を作用させた.その結果,カウンターウェイトブロックで補強したケーソンは滑動量を抑えることができ,防波堤の補強工法として有効であることが分かった.