2013 年 69 巻 2 号 p. I_239-I_244
2007年から採用された設計指針では,性能に影響を及ぼさない範囲で構造物の破損が許容されている.この指針を構造物の設置計画に反映させるためには,構造物の供用期間中にどのような外力が作用するか,それにより構造物は“どのように”,“どの程度”影響を受けるかという点について,計画の段階で推定ができている事が重要である.この研究では混成堤の破損(滑動)に問題を限定して,供用期間中の総滑動量を,波候データを用いてこれらを推定する方法を提案する.研究では具体的な供用期間と許容される滑動量を設定して,堤体の設計条件と性能が維持される確率との関係を示す.