2013 年 69 巻 2 号 p. I_251-I_256
本論文では,まず国内の複数の海岸保全施設を構成する無筋コンクリート胸壁の劣化に関する詳細な現地調査を実施した.胸壁に発生していた鉛直ひび割れに着目し,各スパンにおけるひび割れ本数およびひび割れ幅等の調査データを蓄積した.さらに,調査データを確率統計手法に基づき分析し,胸壁のひび割れ性状を定量的に評価した.最後に,極値統計手法をひび割れの調査データに適用し,ひび割れの少数サンプリング結果から施設全体における最大ひび割れ幅を高い精度で推定する手法を提案した.