抄録
東北地方太平洋沖地震・津波で漁港の多くの岸壁が被災した.今後の防災対策の推進のためには被災メカニズムの定量的な把握が必要であるが,被災後の観測から地震と津波のおのおのがもたらした変形量を把握することは不可能であった.そこで14施設を対象に二次元有効応力解析を実施し,地震による変形量を把握した.その際,各施設に来襲した地震波形はサイト特性置換法によって事後推定した.観測値と解析結果から,はらみだし量における地震動と津波それぞれの寄与度を算出した.地震動については液状化の寄与度も算出した.その結果,多くの施設で地震動の寄与が大きかった.またサイト増幅特性とはらみだし量の間に関連性が見られた.地震による変形は,その後の津波による変形を助長したと考えられる.