抄録
本研究は,当該海岸での整備事業に対してTCMによる継続的な評価ならびに2011年から行っているコンジョイント分析評価の二つの結果から,海岸利用者が海岸景観をどのような要素からとらえているのか,検討を行ったのでその結果について報告する.
TCMによる事業価値の算定では,新たに空間的な広がりにより景観向上の効果があれば,事業価値は上昇するが新たなる改善がなければ社会情勢に反映されず一定であることが分かった.社会資本整備における利用者の満足度は,その整備の充実度と明確に関係することが分かった.
コンジョイント分析による算定では,「海岸保全施設の高さ」を改善することがWTPが高くなるという結果が得られた.