抄録
近年,地震動による容器内の液体の振動により容器が損傷する被害が報告されている.このような条件下においては,容器内の液体の水面は大きく振動し,砕波を伴った3次元的な複雑な運動となるため,非線形性の強い水理現象を解くための3次元数値計算手法の開発が必要である.
本論文では円筒形容器内の水の振動を対象に,粒子法の3次元数値計算を用いて渦度の変動について検討し,渦度と水の運動パターンが特徴付けられることを実験結果との比較により明らかしている.さらに,振動振動数と水深半径比の関係を検討し,運動パターンの遷移が水深半径比によって変化することを示している.