2013 年 69 巻 2 号 p. I_874-I_879
柱状構造物における問題の一つである局所洗掘は,構造物の安定性に影響を及ぼすため,その機構を把握することが重要である.水理模型実験で局所洗掘を取り扱う場合,縮尺効果による相似則に注意が必要である.本研究では,杭直下の地盤高の経時変化を捉えることを目的に現地観測を実施した.その結果,洗掘深が波浪の増大に応じて進行し,減衰期間で小さくなる杭直下の局所洗掘の経時変化を計測できた.また,底質の移動形態の相似則に着目し,移動床水理模型実験によって現地の局所洗掘の経過の再現を試みた結果,局所洗掘の時間的な変化や最大洗掘深をかなり精度よく再現できた.また,現地観測およびその再現実験で発生した局所洗掘について,最高波高を用いることで従来行われた小口径円柱に対する実験結果と比較的よく一致することがわかった.