2013 年 69 巻 2 号 p. I_886-I_891
八代海は九州西部に位置する閉鎖性の強い内湾である.近年,八代海では,赤潮の頻発化,水産資源の減少などの海域環境悪化に伴う問題が顕在化している.そのため,早急な海域環境の回復・改善が求められているが,その実施には,八代海特有の海域環境特性を理解し,その場に応じた対策を実施する必要がある.しかし,八代海での調査事例は少なく,底質や底生生物の十分な環境変動特性の把握には至っていない.そこで本研究では,八代海で2011年秋季に底質・底生生物調査を行い,現況を把握することとした.八代海において22地点を選び,底質・底生生物(マクロベントス・メイオベントス)を採取した.それらをクラスター分析を用いて解析したところ,八代海の底質・底生生物の分布特性をグループ化することができた.