抄録
海洋エネルギーを新たな再生可能エネルギー源として利用する為の研究開発が世界的に進む中,日本でも利用に向けた取り組みが活発化している.海洋エネルギーを利用する際サイトの選定が重要であるが,現在のところ日本沿岸における海洋エネルギーのマッピングは十分に成されていない.本研究では波浪エネルギーに着目し,北海道周辺における冬季の波浪場を波浪推算モデルにより再現し,エネルギーの分布や海域毎の特徴の違いについて考察する.北海道太平洋側ではえりも岬,根室を中心として大きな波浪エネルギーが存在し,その周辺に向うに従いエネルギーポテンシャルが低下していく特徴が見られた.一方日本海側では地形による平均波浪エネルギーのばらつきが大きいものの場所によっては比較的大きなエネルギーが分布していると考えられる.