2014 年 70 巻 1 号 p. 33-43
本研究では,3次元数値波動水槽CADMAS-SURF/3Dに体積力型埋め込み境界法に基づく移動物体計算手法を導入し,物体を強制的に運動させた数値計算から,導入した計算手法の妥当性と有用性を検証した.その結果,ピストン型およびフラップ型の造波特性関数に基づく造波テストでは,計算精度は造波板の振幅と最大角速度に依存するものの,目標とする規則波を良好に造波できることを確認し,導入した移動物体計算手法の妥当性を示した.さらに,ゲートの急開動作を考慮したダムブレークテストを行い,固定構造物のみを取り扱う従来のCADMAS-SURF/3Dでは計算できなかった段波背後の水面挙動が再現できることを示し,移動物体計算手法を導入したCADMAS-SURF/3Dの有用性を明らかにした.