抄録
広島デルタ太田川派川河岸には有機泥が堆積し景観,親水性が低下している.市内派川河岸の親水性の回復を目的に,石炭灰造粒物を用いた底質改善実証試験事業(産官学プロジェクト)が進められている.有機泥が堆積する河岸干潟での重機作業では,仮設作業床の構築が不可欠である.重機を用いる石炭灰造粒物の撒布作業では,造粒物により作業場の構築が可能であることを確認し,作業場そのものにも底質改善機能を有する浄化層(造粒物層)の構築法を開発した.本論文では対象干潟の事前調査と実証試験区の構築および定期的なモニタリングを行い,造粒物の散布と作業場構築技術を検証・評価した.本技術は,施工後に仮設作業場の撤去が不要で,底質改善に寄与すると共に遊歩道等に活用でき事業のB/C向上が望める新たな作業場構築技術として評価できる.