抄録
港湾構造物の大水深化・構造合理化に伴い,基礎杭に求められる軸方向抵抗力が増大し,鋼管径が大口径化する傾向にある.一方,従来の打撃工法では大口径化に伴って閉塞率が低下することや,セメントミルクジェット併用バイブロハンマ工法では先端抵抗力が増大できない問題点がある.また著者らがこれまで鋼管径1000mmの範囲で性能を確認していたウォータージェット併用工法で打設した根固め杭では,十分に撹拌されたソイルセメントを杭内部に築造することが可能である.しかし,それ以上の大口径杭に対してこれまでの方法を適用することは難しかった.そこで,大口径に適した方法を提案するため,セメントミルクジェットによる根固めの築造を中心に研究開発に取り組んだ.その結果,均質な根固めが築造できる方法を見出した.また,その強度が抵抗力の発現に十分な水準であることが,実大試験で実証された.