抄録
北九州市沖において,2009年度から2016年度にかけて国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)からの受託研究ならびに共同研究として「洋上風況観測システム実証研究(北九州市沖)」,「洋上風力発電システム実証研究(北九州市沖)」をそれぞれ実施している.洋上風力のアクセスには,波の影響を受けることが陸上風力との大きな差異であり,陸上風力に比してアクセス性が劣る要因となっている.このため,波浪を指標としてアクセス可能な日時を正確に予測することは,保守点検業務を効率的かつ安全に実施するために不可欠である.本稿では,確実なアクセス性の確保を目的として活用している波浪予測システムの概要および予測精度,ならびにアクセス実態について紹介し,当該システムの妥当性評価について述べる.