抄録
近年,海上輸送・港湾分野において保安対策が強化されている一方,港湾のコンテナターミナルではゲート処理の時間短縮が課題となっている.そうした中,2014年7月1日から三点確認が義務化された.
本研究では,三点確認義務化によりコンテナターミナルのゲート前の渋滞悪化が懸念されたため,現地調査を行った.また,今後,保安対策が強化された場合におけるゲート処理の円滑性確保策を検討した.現地調査を行ったコンテナターミナルでは,三点確認義務化による渋滞の悪化は確認されなかった.しかし保安対策が強化されてコンテナ搬入の処理時間が仮に5分長くなる場合を想定したシミュレーションの結果,現状設備ではオーバーフローするが,ゲート処理を多段化すること等でオーバーフローを回避でき,ゲートイン処理が効率化できる可能性が確認できた.