抄録
涸沼北岸には東側から作用する風波によって形成された親沢鼻砂嘴が伸びる.この砂嘴では徐々に変形が続いてきたが,2011年3月11日の大地震時に約22cmの地盤沈下が生じたこともあって,侵食が著しく進んできた.さらに地震後には,砂嘴南端の突堤による西向きの沿岸漂砂の阻止による侵食がいっそう激しくなった.本研究では,このようにして侵食が進みつつある親沢鼻周辺で湖浜形状を測定するとともに底質採取を行って侵食の実態を明らかにした.湖浜の面積変化より,2012~2014年での沿岸漂砂量が133m3/yrと推定された.