抄録
国土交通省九州地方整備局は,2008年度より,下関港海岸保全施設整備事業(高潮対策)事業に着手し「長府・壇ノ浦地区」「山陽地区」の2地区,延長約18kmについて整備を進めている.「山陽地区」は,地盤が高潮より低い地勢であり,高波に対する防護の他,高潮の河川からの遡上・浸水に対する防護のため,海岸護岸の他,水門・樋門,陸閘,排水機場等の整備と確実な運用が必要であるため,下関港海岸保全施設の整備計画の策定においては,施設の維持管理の運用と経済性が課題となった.
このため,海岸保全施設(護岸,胸壁・陸閘,水門・樋門,排水機場等)の概略設計と事業費算定(工事費及び維持管理更新費)とさらに内水解析・現地観測を実施し,防護ラインの比較検討を行い,LCC(ライフサイクルコスト)と内水対策を考慮した「下関港海岸整備計画」を策定したものである.