2015 年 71 巻 2 号 p. I_611-I_616
重力式混成堤の港内側のやや離れた位置に鋼杭を配置し,裏込めとして砕石で間詰めした補強工法について,数値解析を用いて抵抗機構の解明に取り組んだ.気中条件の水平載荷模型実験を対象に,数値解析を実施した結果,ケーソンの受ける水平荷重は,裏込めとその直下地盤を介して鋼杭に伝達され,根入れされた鋼杭の地盤抵抗を利用して抵抗力を発揮していることが示された.ケーソンの底面摩擦が上限に達すると変形剛性が低下するものの,裏込めを介した荷重伝達は継続し,変形の増大とともに抵抗力が増す粘り強さが生じていることを明らかにした.また,鋼杭の剛性が高い場合に裏込めの拘束効果が高まることや,地表面から一定高さの裏込めが荷重をよく伝達し,補強効果を発揮していることが推察された.